
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』で、ルークが初めてヨーダと出会うシーン。
そこでヨーダは突然ルークの食料を奪い、「わしのじゃ!」と言い張ったり、R2-D2とライトを取り合ったり、「いやじゃ!」と子どものように駄々をこねたりします。
初めて見ると、
「ヨーダってボケてるの?」
「なんであんな変なおじいちゃんみたいな行動をしているの?」
と驚いたり不思議に思った人も多いのではないでしょうか。
実はヨーダは、ルークという人物を見極めるため、あえて変わり者を演じていたと考えられます。
この記事では、伝説のジェダイ・マスター、ヨーダが「わしのじゃ!」や「いやじゃ!」と言った理由や、ダゴバでの初対面シーンに隠された意味を振り返ります。
ヨーダが「わしのじゃ!」と言ったシーンとは?
ヨーダの「わしのじゃ!」は、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』でルークが惑星ダゴバに到着した直後の場面です。
ルークは、オビ=ワン・ケノービの導きによってジェダイ・マスター・ヨーダに会うため、霧と沼に覆われたダゴバを訪れます。
ところが現れたのは、伝説のジェダイとは思えない小柄な老人。
ヨーダはルークの持ち物を勝手に触ったり、食料を欲しがったり、「わしのじゃ!」と言って勝手に食べ始めたりと、どこか落ち着きのない様子を見せます。
さらにR2-D2がライトを取り返そうとすると、今度はライトを離さず取り合いになり、「いやじゃ!」と子どものように抵抗します。
この様子を見たルークは、
「こんな変なおじいさんが、本当にヨーダなのか?」
と半ば呆れてしまいます。
エピソード5のヨーダは本当にボケていたの?
結論から言うと、ヨーダはボケていたわけではありません。
あの一連の行動は、ルークの性格や資質を確かめるための試験だったと考えられています。
ルークはダゴバへ来た時点で、
- 早く修行したい
- ダース・ベイダーを倒したい
- 自分は強くなれるはずだ
という焦りや自信を持っていました。
しかしヨーダは、ジェダイに必要なのは戦う力だけではなく、忍耐力や謙虚さ、感情をコントロールする力だと知っています。
だからこそ、あえて常識外れの老人を演じることで、ルークがどう反応するかを観察していたのです。
実際、ルークは何度もイライラした表情を見せています。
ヨーダは、その短気さや焦りこそが、ルークの未熟さだと見抜いていました。
なぜヨーダはわざとボケた演技をしたのか?
ヨーダが正体を隠した理由は、大きく分けて2つあります。
① ルークの人間性を見極めるため
もし最初から威厳あるジェダイ・マスターとして現れていたら、ルークは緊張し、本当の性格を見せなかったかもしれません。
そこでヨーダは、あえて変わり者の老人として接することで、ルークが苛立った時にどのような態度を取るのかを観察しました。
ジェダイにとって重要なのは、フォースの強さだけではありません。
感情に流されず、冷静でいられるかどうかも大切な資質なのです。
② 自分がヨーダだと気付かれないため
ルークは「偉大なジェダイ・マスターなら、きっと堂々とした人物だろう」と思い込んでいました。
しかし実際に現れたのは、小柄でおどけた老人。
そのギャップによって、ルークは目の前にいる人物がヨーダ本人だとはまったく気付きませんでした。
オビ=ワンの霊が現れて初めて、ルークは「この人こそヨーダだったのか」と知ることになります。
ヨーダは見た目や肩書きではなく、人を見る目があるかどうかも試していたのかもしれません。
「わしのじゃ!」や「いやじゃ!」は伏線だった
最初はコミカルに見える「わしのじゃ!」や「いやじゃ!」というやり取りですが、その後の展開を見ると印象が大きく変わります。
正体を明かしたヨーダは、それまでのおどけた雰囲気とは別人のように落ち着きを取り戻し、ルークへフォースの本質を教え始めます。
「あの変なおじいさん」が、銀河でもっとも偉大なジェダイ・マスターだった――。
このギャップがあるからこそ、ダゴバでの出会いはシリーズ屈指の名シーンとなっています。
初見では笑ってしまう場面ですが、2回目以降に見ると、「ヨーダは最初からルークを試していたんだ」と気付けるシーンでもあります。
オビ=ワンはなぜヨーダだと教えなかった?
ダゴバへ向かうようルークを導いたオビ=ワンですが、ヨーダがどんな姿をしているのかまでは教えませんでした。
そのためルークは、目の前にいる小柄な老人がヨーダ本人だとは思いもしません。
では、なぜオビ=ワンは最初から正体を明かさなかったのでしょうか。
映画では明確な説明はありませんが、ヨーダ自身がルークを見極めるつもりだったため、オビ=ワンもその考えを尊重していたと考えられます。
実際、オビ=ワンの霊が現れた後も、ヨーダは「この若者は未熟だ」と修行に消極的な姿勢を見せています。
つまり、ダゴバでの最初のやり取りそのものが、ルークを弟子にするかどうか判断する試験だったのでしょう。
実は、R2-D2もヨーダを元々知っていた!
ここで一番気になるのが、実はR2-D2の存在です。
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』までを見ると、R2-D2はヨーダと何度も行動を共にしています。
さらに、記憶を消去されたC-3POとは違い、R2-D2は記憶を消去されていません。
そのため、R2-D2はヨーダのことを覚えていた可能性が高いと考えられます。
映画を見る限りでは、R2-D2は本気でライトを取り返そうとしているように描かれています。
そのため、「R2も芝居に付き合っていた」と断定することはできませんが、「ヨーダのことは知っていたはず」という点は、シリーズ全体を通して見ると興味深いポイントです。
【関連記事: R2-D2は全部知っていた?記憶消去の危機を乗り越えた歴史ロマン】
【考察】雨の中、窓の外で覗くR2-D2の「ホンネ」とは?
『帝国の逆襲』で個人的に大好きな隠れた名シーンがあります。
それは、ヨーダがルークに泥シチューを振る舞う場面です。
その時、R2-D2は激しい雨(スコール)に打たれながら、小屋の丸い窓からじっと中をのぞき込んでいます。
映画では、この行動に特別な説明はありません。
だからこそ、想像が膨らむシーンでもあります。
ここで思い出したいのが、R2-D2はプリクエルから一度も記憶を消去されていないという設定です。
つまり、R2はかつてヨーダと行動を共にした時代を知る数少ない存在でした。
もちろん、『帝国の逆襲』の時点でR2がヨーダを見てすぐに正体へ気づいたのか、あるいは最初から気づいていたのかは、映画では明言されていません。
それでも、もしR2がヨーダだと認識していたのだとしたら、あのシーンはまったく違って見えてきます。
普通に考えれば、
「見知らぬ変なおじいさんが、ルークを困らせている……大丈夫かな?」
そんな心配をしているようにも見えます。
でも、こんな想像もできるのではないでしょうか。
「ヨーダ様、また始まった……。」
「ルークは今、大事な試練の真っ最中だ。怒ったら負けだぞ。」
R2は何もできず、ただ雨に打たれながら、その様子を静かに見守っていた——。
そんなふうに考えると、あの小さな姿がどこか頼もしくも、少し切なく見えてきます。
R2-D2はヨーダの全盛期を知り、そしてルークという新たな希望の旅立ちも見届けた、銀河でも数少ない存在。
そう思って見返すと、雨の中で窓越しに見つめる、ほんの数秒のカットが、ただのギャグシーンではなく「長い歴史を知る相棒が、静かに未来を見守っている瞬間」にも感じられます。
私はこのシーンを見るたびに、「R2は何を思っていたんだろう」と想像せずにはいられません。
次に『帝国の逆襲』を見る時は、ぜひルークだけでなく、雨の中から静かに見守るR2-D2にも注目してみてください。
あの数秒のカットが、きっと今までとは違って見えてくるはずです。
『エピソード1〜3』を見るとヨーダの印象が大きく変わる
『エピソード5』だけを見ると、ヨーダは不思議なおじいさんという印象が強いかもしれません。
しかし、物語の時系列ではそれより前にあたる『エピソード1〜3』を見ると、その印象は大きく変わります。
若き日のヨーダはジェダイ評議会を率いる最高位のジェダイ・マスターとして、銀河共和国を支える存在でした。
冷静な判断力と深い知恵を持ち、多くのジェダイを導く姿は、『帝国の逆襲』で見せたおどけた老人とはまるで別人のようです。
だからこそ、ダゴバで見せた「わしのじゃ!」「いやじゃ!」という姿は、本来のヨーダではなく、ルークを試すための演技だったという見方に説得力が生まれます。
シリーズを時系列で見返すと、このシーンの印象が変わるというファンも少なくありません。
まとめ
ヨーダが「わしのじゃ!」と言った理由は、単に食べ物が欲しかったからでも、ボケていたからでもありません。
ルークという若きジェダイ候補の性格や資質を見極めるため、あえて変わり者の老人を演じていたと考えられています。
また、「いやじゃ!」と言いながらR2-D2とライトを取り合うコミカルな場面も、初見では笑えるシーンですが、正体が明かされた後に見返すと印象が大きく変わります。
さらに『エピソード1〜3』や関連作品を知ると、ヨーダが銀河最高クラスのジェダイ・マスターだったことや、R2-D2がヨーダと面識を持っていたことも分かり、ダゴバでの出会いをより深く楽しめます。
映画を見返す機会があれば、「わしのじゃ!」や「いやじゃ!」という印象的なセリフだけでなく、その裏でヨーダがルークをどのように見極めていたのかにも注目してみると、新たな発見があるかもしれません。