おいしい給食【ロケ地紹介①埼玉編】映画『卒業』まで舞台をたどる

『おいしい給食』の懐かしさを誘う校舎や、どこかほっとする町並み……。

作品の世界に引き込まれるたびに、「あの風景、実際に見てみたい!どこで撮影されたのか、ロケ地が気になる」という方も多いのではないでしょうか?

今回は、シリーズ最初の舞台となった埼玉県で、撮影に使われた学校や周辺スポットを詳しくご紹介します!

また、映画『卒業』以降のロケ地については、こちらの記事で紹介しています。興味のある方は合わせてどうぞ。→ 『おいしい給食』【ロケ地②函館編】season3からの舞台を紹介

『おいしい給食』最初の舞台は埼玉県川島町!町ぐるみで支えたロケ地

『おいしい給食』シリーズの前半の作品である

  • ドラマ『おいしい給食 Season1・2』
  • 映画『おいしい給食 Final Battle』『卒業』

のロケ地は、埼玉県川島町(かわじままち)を中心に撮影されました。

川島町は埼玉県の中央部に位置する、自然豊かな町で「都会に一番近い農村」として知られています。

『おいしい給食』の撮影には、川島町や教育委員会が協力し、エキストラとして参加した町の人々も。まさに町ぐるみで作品を支えたロケ地となっています。

『おいしい給食』ロケ地:埼玉編の学校まとめ(映画『卒業』まで)

甘利田先生が映画『おいしい給食 卒業』までに勤務した中学校は、

  • 常節中学校
  • 黍名子中学校

の2校あり、埼玉県川島町にある旧出丸小学校旧小見野小学校が、ドラマや映画のメインのロケ地として使用されました。

また、メインの2校に加えて、川島町立川島中学校での撮影も行われました(常節中学校編)。

ドラマ・映画作中の学校名撮影に使われた場所(実際の学校)
season1 / Final Battle①常節中学校旧出丸小学校、川島町立川島中学校
season2 / 卒業②黍名子中学校旧小見野小学校

以下で学校について詳しく見ていきましょう!

【①常節中学校編】『おいしい給食 season1/Final Battle』のロケ地を詳しく紹介

常節中学校でのドラマ・映画『おいしい給食 season1/Final Battle』のロケ地の学校について、詳しく紹介していきます。

「常節中学校」は『おいしい給食』シリーズ最初の学校

「常節中学校」は、『おいしい給食』シリーズの最初の舞台となる学校です。

  • ドラマ『season1』
  • 映画『Final Battle』

に登場しました。

物語の中心となるこの学校のロケ地には、昭和の雰囲気が色濃く残る場所が使用されています。

1. 常節中学校のメインのロケ地「旧出丸小学校」

廃校となった旧出丸小学校が、ドラマのメインロケ地として使用されました。赤い屋根が特徴的な校舎は、どこか懐かしく温かみのある雰囲気を持っています。

  • 所在地:埼玉県比企郡川島町大字上大屋敷100
  • 使用された施設:校舎・体育館・グラウンド

旧出丸小学校の歴史

旧出丸小学校は1873年に開校し、長い歴史を持つ学校でした。しかし、児童数の減少により、2018年3月に三保谷小学校と統合し、閉校となりました。

現在は廃校となっていますが、校舎・体育館・グラウンドは、地域の方々の交流の場として活用されています。地域交流や生涯学習の場として利用されるなど、今もなお、多くの人に親しまれている場所です。

作品に登場するシンボルツリー「庭漆(ニワウルシ)」

校庭の中央に立つ大きな木、ニワウルシ(庭漆)。
この木は、かつて学校のシンボルツリーとして、地域の人々に親しまれてきました。

実は、『おいしい給食』の制作チームがロケハン(下見)の際、この木のたたずまいに感銘を受けたことで、ドラマ内でも象徴的に映し出されることになったそうです。作中でも、場面の切り替え時によく映るので、見覚えがある方も多いのではないでしょうか。

旧出丸小学校の歴史は145年。長い年月、たくさんの生徒や地域の人達を見守ってきたのでしょうね。

2. 常節中学校の音楽室・図書室:ロケ地「川島町立川島中学校」

メインのロケ地は「旧出丸小学校」ですが、常節中学校の音楽室・図書室のシーンは、埼玉県にある「川島町立川島中学校」で撮影されました。

  • 所在地:埼玉県比企郡川島町白井沼230
  • 使用された施設:音楽室・図書室

音楽室:season1・第6話「ワンタンスープと名前の長いパン」

音楽室が印象的に登場するのは、season1・第6話。

御園先生が吹奏楽部の練習を見てあげるシーンや、悩みながらも甘利田先生の言葉を受けて顧問を引き受けるシーンが描かれました。

この撮影には、実際の川島町立川島中学校の吹奏楽部の皆さんが協力。
劇中の吹奏楽部は、上達を目指すのではなく「音楽を楽しむこと」を大切にしているため、演奏もどこか味のある仕上がりになっています。

もしかすると、演奏シーンも、わざと少し不揃いに演奏されたのかもしれませんね。実際に学校の吹奏楽部の皆さんが参加していたと思うと、より一層ほっこりするエピソードです。

図書室:映画『Final Battle』の別れのシーン

図書室が印象的なのは、映画『Final Battle』 の重要な場面。

甘利田先生が転任することになり、最後に御園先生と別れを交わすシーンがここで撮影されました。

甘利田先生が図書室にいるのは珍しく、作品の中でも特に意味のあるシーンです。静かな空間の中で交わされるやりとりが、二人の関係の変化を象徴していますね。

通学路でお馴染み!八幡橋

埼玉県坂戸市小沼にある「八幡橋(はちまんばし)」は、ドラマ『おいしい給食』Season1でお馴染みの通学路のシーンに登場する橋です。

越辺川(おっぺがわ)に架かるこの木製の橋は、ノスタルジックな雰囲気が漂い、印象的な場所となりました。神野くんがこの橋を歩いて渡るシーンが描かれていますね。

  • 所在地:埼玉県坂戸市小沼付近
  • 特徴:越辺川にかかる木製の橋

現在の状態と橋の歴史

調べたところ、残念ながらこの「八幡橋」は現在通行止めとなっており、橋の解体・撤去が決定されています。大雨による損傷や経年劣化による腐食の影響で通行止めとなったためです。

映像の中でしか見ることができないこの風景は、貴重な記録として残っていますが、橋が持っていた独特の雰囲気は映像を通じて感じることができます。

八幡橋の周辺の自然と季節の見どころ

「八幡橋」の周辺は、自然が豊かなエリアとしても知られています。

秋になると、越辺川の川辺には美しい曼珠沙華(彼岸花)が咲き誇り、その景色はまさに一見の価値があります。川辺一帯に広がる紅色の花は、まるで絵画のように美しく、訪れる人々に季節の変わり目を感じさせてくれます。彼岸花は、湿地帯や水辺を好む花であり、この川辺の自然環境は理想的な場所です。

また、冬には白鳥の飛来地としても有名です。

越辺川周辺は、毎年冬になると白鳥が飛来し、その姿を見ることができます。これらの白鳥たちは、寒冷地で繁殖した後、温暖な地域に移動して冬を越します。

越辺川のような湿地帯や水辺は、白鳥にとって理想的な環境となっています。

白鳥の飛来は、この地域の冬の風物詩となっており、自然とのふれあいを楽しむための絶好のスポットです。

美術の授業で訪れた!自然豊かな「平成の森公園」

緑豊かで広大な「平成の森公園」

平成の森公園は、川島町のほぼ中央に位置し、四方を川に囲まれた地形をイメージして造られた公園 です。
約8.4haの広さを誇り、さまざまな施設が点在しています。

  • 所在地:埼玉県比企郡川島町下八ツ林920
  • 特徴:season1/2共通のロケ地

『おいしい給食 season1』【エピソード5】では、美術の授業のシーンがここで撮影されました。

生徒たちが自由にのびのびと絵を描く様子が印象的でしたね。

「平成の森公園」は見どころがたくさんです。

見どころ特徴
ハスの花7月中旬~8月上旬に見頃。夏の朝に咲く幻想的な風景
バラの小径日本一長いバラのトンネル。5月頃が見頃、ライトアップも
水と時の公園カリヨン(鐘)が時を知らせるシンボルエリア
ちびっこ広場アスレチックなど子ども向け設備が充実

美術で生徒が描いた「ハスの花」

ドラマでは、ピンクの美しいハスが咲いていて、美術の授業で生徒が写生するシーンがありました。

実際に「平成の森公園」でハスの花を見るなら、「平成の森公園」のハスの見頃は7月中旬~8月上旬です。
夏の朝に開花し、幻想的な風景が広がります。

日本一長いバラのトンネル「バラの小径」

公園内には、日本一長いバラのトンネル「バラの小径(こみち)」もあります。
公園東部の小高い丘にある「丘の家」や「アスレチックコーナー」をぐるりと囲むように整備された遊歩道で、
例年5月上旬~5月下旬が見頃。甘い香りに包まれながら散策を楽しめます。

また、開花シーズンにはライトアップも実施されるので、夜の幻想的なバラも見どころの一つです。

ロケ地巡りの際は、ぜひ四季折々の自然を感じながら、ドラマの世界を楽しんでみてくださいね!

【②黍名子中学校編】『おいしい給食 season2 / 卒業』のロケ地を詳しく紹介

『おいしい給食 season2』以降は、舞台が黍名子中学校に移ります。こちらの撮影地も埼玉県川島町です。
実際に使用された学校や、ロケ地を詳しく紹介していきます!

黍名子中学校:「旧小見野小学校」

黍名子中学校は、「旧小見野小学校」で撮影されました。

  • 所在地:埼玉県比企郡川島町大字谷中99

現在は廃校となっていますが、こちらも旧出丸小学校と同様、地域の方々の交流の場として活用されています。旧小見野小学校(2階)には「かわじま郷土資料展示室」があり、川島町の歴史や土器、民具(生活用品)などの展示品を見ることが出来ます。

参考:川島町ホームページ「かわじま郷土資料展示室」

旧小見野小学校の歴史

旧小見野小学校は、明治6年(1873年)に川島町内の法鈴寺で創設された学校を起源とし、地域に根差した長い歴史を持つ小学校です。明治23年には現在の川島町大字谷中に本校舎を新築し、以来、地域の子どもたちを育む場として親しまれてきました。

昭和3年には現在の校地に移転し、以降も校舎の改築や設備の整備が行われ、平成3年には開校100周年を迎えるなど、長年にわたり地域に貢献してきました。

平成20年には、校舎の大規模改修とともに、教室や廊下などの“木質化”工事が実施されました。木のぬくもりがあふれる校舎へと生まれ変わり、明るくあたたかみのある空間に。児童にも教職員にも落ち着きと安心感を与える効果があったと報告されています。視覚・触覚・聴覚にやさしく、感情面や安全面でも良い影響をもたらしたと言われています。

その木のぬくもりのある温かい雰囲気は、『おいしい給食』を観ると感じることが出来ますね。

しかし、児童数の変化などにより、旧小見野小学校は2018年(平成30年)3月に閉校になりました。

その後、校舎は活用され、2023年(令和5年)4月、川島町政50周年を記念して「かわじま郷土資料展示室」として生まれ変わり、地域の歴史と文化を伝える拠点として新たな歩みを始めています。

高橋商店:駄菓子屋のロケ地

ドラマ『おいしい給食2』以降、甘利田先生の新しい楽しみとして登場するのが駄菓子を買って食べること。そしてその舞台となっているのが、川島町にある「高橋商店」です。

正式名称は「高橋商店食料品店」で、駄菓子だけでなく、冷凍食品やパン、洗剤・日用品まで幅広く取り扱うお店です。

お店の前にあるベンチは、あの甘利田先生(市原隼人さん)が座っていた印象的な場所。店内に一歩足を踏み入れると、天井から吊るされた『おいしい給食』のポスターや、壁に飾られた出演者のサイン色紙が目に入り、ファンにはたまらない空間が広がっています。

昭和の面影を残す商店のたたずまいは、どこか懐かしく、訪れた人々の心を優しく揺さぶります。まるで、少しだけ子供の頃に戻ったような気持ちになれる場所です。

また、高橋商店近くには、子どもたちが下校時によく歩いている田んぼ道があります。

  • 所在地:埼玉県比企郡川島町出丸下郷96
  • 登場作品:season2/卒業

大沢牛乳㈱:いつもの瓶牛乳

『おいしい給食』の、毎日の給食に欠かせない「いつもの瓶牛乳」。

工場見学のシーンや、いつもの瓶牛乳で登場しました。

その瓶牛乳を製造しているのが、川島町にある大沢牛乳株式会社です。

創業から約70年、地域に根差しながら“安心・安全の味”を届け続けてきた牛乳屋さん。瓶牛乳やコーヒー牛乳といった昔ながらの製品は、今も変わらぬ味わいで多くのファンに愛されています。

甘利田先生が毎日楽しみにしている“おいしい給食”。その一端を担う、まさにドラマの味を支える名脇役ともいえる牛乳です。ぜひ実際に味わってみてくださいね。

― 甘利田先生の“おいしい給食”に欠かせない、あの瓶牛乳 ―

  • 名称:大沢牛乳株式会社
  • 所在地:埼玉県鴻巣市吹上本町5-5-20
  • 登場作品:season2、いつもの給食のシーン

参考:大沢牛乳株式会社ホームページ

教育委員会のロケ地

劇場版『おいしい給食 卒業』に登場する、赤茶色の印象的な外観の建物が、甘利田先生の宿敵である「鏑木」が勤務している教育委員会の建物です。

そのロケ地となったのが、東松山市民文化センター。

作中では、甘利田先生はもちろん、神野くんが給食の危機に立ち向かうために訪れる重要なシーンの舞台にもなりました。

施設内には、約1,200席の大ホールのほか、会議室や多目的室、和室、スタジオなども備えており、広くて多機能な文化施設として活用されています。コンサートや講演会、地元の成人式など、さまざまなイベントの会場にもなっています。

ロケ地としてだけでなく、地域文化にふれるスポットとしても訪れる価値のある場所となっています。

  • 名称:東松山市民文化センター
  • 所在地:埼玉県東松山市六軒町5-2
  • 登場作品:season2/卒業

参考:東松山市民文化センター【公式】

スカイブルーが目をひく橋――黍名子橋

『おいしい給食』の通学路で登場する、印象的なスカイブルーの橋。それが、黍名子橋です。

のどかな田園風景の中にある、静かで穏やかな場所です。

ロケ地巡りをしたい場合に、分かりやすい目印は、川島排水機場(埼玉県比企郡川島町曲師402)から安藤川を上流にさかのぼっていくと、2つ目に見えてくる橋です。

ちなみに1つ目の橋は、season2でシンゲンの犬小屋がある橋の撮影場所です。白いガードレールの欄干の橋で、ドラマで甘利田先生と神野くんがコッペパン奪還のために頑張りましたね。

川島町ならではの、のどかで美しいロケーションのひとつとして、ぜひ立ち寄ってみたいスポットです。

ロケ地名登場作品備考
スカイブルーの橋S2・卒黍名子橋。生徒の通学路で、水色の欄干が印象的。
白いガードレールの橋S2シンゲンの犬小屋がある橋。のどかな風景の中にある。