
家庭菜園で「できるだけ無農薬で育てたい」「虫をなるべく避けたい」と思っている方へ。
そんなときに活躍するのが、「コンパニオンプランツ」です。
中でもネギは、虫よけや病気の予防効果がある優秀な野菜。
育てやすくて、家庭菜園初心者にもぴったりです。
今回は、そんなネギのコンパニオンプランツとしての効果や植え方、相性の良い野菜や季節について紹介します!
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、異なる植物を一緒に育てることで、
- 互いの成長を助けたり、
- 害虫や病気を予防したりする
という効果が期待できる組み合わせのことです。
中でもネギは、強い香りと根に共生する微生物の働きで、他の野菜を守る役割を果たしてくれます。
コンパニオンプランツとしてネギを植えるメリット
①ネギの根の効果
ネギの根には、「拮抗細菌(きっこうさいきん)」という微生物が存在します。
この菌が土壌中の悪玉菌の働きを抑え、連作障害の予防や病気の発生を減らす効果があります。
特にウリ科の野菜(キュウリ・スイカ・メロンなど)と組み合わせることで、つる割れ病などの土壌病害を防ぐ効果が高まるとされています。
②ネギの香りの効果
ネギの香り成分は、ウリハムシなどの害虫を遠ざける忌避効果も期待できます。
ネギの種類と選び方(白ネギ系/青ネギ系)
ネギは種類が多いですが、大まかには「白ネギ」「青ネギ」の2種類に分けられます。
ネギの種類 | 特徴 | コンパニオン向き度 | メモ |
---|---|---|---|
白ネギ系(根深ネギ・長ネギ) | 白い部分が長く、根が深く張る | ◎ | 病害虫予防に効果が高く、地植え向き |
青ネギ系(葉ネギ・小ネギ) | 緑の部分が柔らかく、根が浅い | ◯ | プランター栽培に適し、収穫が早い |

病気予防や虫よけ効果を最大限に活かしたい場合は、白ネギ系の栽培がおすすめです。
一方、育てやすさや短期間での収穫を重視するなら、青ネギ系も効果が期待できます。
初心者の方には、プランターでも栽培しやすい「葉ネギ」や「小ネギ」からスタートするのもおすすめです。
ネギと相性の良い野菜と季節の組み合わせ一覧

ネギと一緒に植える相性の良い野菜をまとめました!
相性の良い野菜 | 期待できる効果 |
---|---|
ナス科(ナス・トマト) | 立ち枯れ病・青枯病予防に |
ウリ科(きゅうり・スイカ・メロン・かぼちゃ) | ネギのにおいでウリハムシを遠ざける。「つる割れ病」などの病害を予防する効果も期待。土壌中の病原菌を減らす効果 |
ほうれん草 | ネギの根の微生物の働きで、萎凋病の発生を抑える。 互いの生育を促進する効果 |
ネギと一緒に:植え方のポイント
相性の良いコンパニオンプランツであっても、適切に植え付けないと十分な効果を発揮できません。
ネギの「香り」を利用する場合
(例)きゅうりの栽培でウリハムシを寄せ付けたくない場合は、ネギを隣の畝に植え付けるだけでも効果が期待できます。
ネギの根の拮抗菌の効果を利用する場合
一方、ネギの根の拮抗菌の効果を利用して病害を予防したい場合は、お互いの根を近づける必要があります。
例えば、きゅうりやスイカは根が浅いので、同じように根が浅い長ネギを一緒に植えるのが適しています。
特に、拮抗細菌の効果を活かすには、根が同じエリアにある必要があります。お互いの根が絡み合うように植えると効果的です。メロンとネギを一緒に植える場合は、苗を植え付ける時に、メロンとネギのそれぞれの根を絡めます。
ネギと、一緒に植える植物の根を近づけることを意識しましょう。
移植の際、植え穴を掘ったら先にネギの根を穴に広げ、その上にポットの土ごと苗を直接置いて植え付けるとよいでしょう。
このように植えることで、病気を予防しながら健康な成長が期待できます。
注意点:完全な防虫ではない
ネギは、コンパニオンプランツとして優秀で、病気や害虫に強い野菜です。
しかし、完全に防ぐことは不可能だということも覚えておきましょう。
例えば、ナメクジをネギで防ぐことは出来ません。
ナメクジに困っている方は、別の対策が必要になります。
- 土の湿度を適切に保つ
- ナメクジの忌避植物を植える
などの対策をやっていきましょう。
まとめ
ネギは、家庭菜園を始めたばかりの方にも扱いやすく、病害虫対策にも効果的な心強い存在。
種類を選んで、季節ごとの野菜と上手に組み合わせれば、無農薬で安心な野菜づくりにぐっと近づけます。
まずはプランターから、ネギと一緒に野菜を育ててみてはいかがでしょうか?
少しずつ育てながら、楽しく学んでいきましょう!