小説『国宝』が映画化!原作あらすじをやさしく解説|モデルはいる?

2025年6月6日、映画『国宝』が全国公開されましたね。

歌舞伎界を舞台にした壮大な人間ドラマで、主演は吉沢亮さん。横浜流星さん、渡辺謙さんや田中泯さんといった豪華なキャストが揃っています。

歌舞伎がテーマということで、「ちょっと難しそう…」と感じる人もいるかもしれませんが、実は原作は人生ドラマとしても胸に響く名作。

今回は、

  • 原作『国宝』とは?あらすじや見どころ
  • モデルとなった人物はいるのか?

について、初心者にもわかりやすくご紹介します。

小説『国宝』が映画化!映画の基本情報

小説『国宝』は、歌舞伎役者・立花喜久雄の人生を描いた物語です。

基本情報はこちらです。

  • 公開日:2025年6月6日
  • 主演:吉沢亮(立花喜久雄 役)
  • 監督:李相日(代表作『フラガール』『悪人』『怒り』)
  • 原作:吉田修一
  • 上映時間:2時間55分

原作は吉田修一の小説『国宝』

映画の原作は、吉田修一さんの長編小説『国宝』です。

今までに『悪人』『怒り』で吉田修一作品の実写化を手掛けた李相日監督が『国宝』を実写化しました。

2人が手を組むのは、なんと3度目!

小説が出版されてから、構想6年で実写化したとのことで、作品にかける想いも強そうです。

原作小説『国宝』のあらすじと世界観を紹介

『国宝』は、歌舞伎の世界に人生捧げた主人公・立花喜久雄の50年を描く作品です。

昭和から平成にかけての半世紀にわたる物語で、主人公・立花喜久雄の波乱に満ちた歩みを、同年代の歌舞伎役者、大垣俊介との対比とともに描きます

任侠の一門に生まれながらも、父を亡くし、上方歌舞伎の名家に引き取られた喜久雄。

喜久雄は女形としての才能を発揮し、その家の実子と芸を競うようになっていきます。

ライバルと競い高め合い、物語は進んでいきます。

映画『国宝』物語の中心はふたりの役者

  • 立花喜久雄(映画キャスト:吉沢亮)→美貌と才能をもつ天才的な女形
  • 大垣俊介(映画キャスト:横浜流星)→歌舞伎名門の家に生まれた。主人公とは、良きライバル

『国宝』の映画化のきっかけは、李相日監督が「歌舞伎の女形を撮りたい」と思ったことから企画が始まりました。

配役は早い段階で決まっており、吉沢亮さんありきだと、まず主演に指名され、その存在感に並ぶ俳優として横浜流星さんが起用されたといいます。

このふたりが、良きライバルであり親友として、芸にすべてを捧げながら歩んでいく姿が軸となります。

昭和39年、長崎で起きたある出来事をきっかけに、喜久雄の運命は大きく動き出します。

厳しい稽古、舞台での成功と挫折、師弟関係、スキャンダル…。華やかさの裏にある孤独と闘いが、ドラマティックに描かれていきます。

また、原作では、舞台芸術の奥深さや裏側、芸を継承していくことの苦悩や美しさも丁寧に描かれており、読み応えのある作品です。

原作小説『国宝』の登場人物にモデルはいるの?

調べたところ、『国宝』の登場人物にモデルの人物がいるという、公式の発表はありませんでした。

特定の人物というより、複数の人物から構想したという説が有力です。

そして「モデルが誰か」という発表はありませんが、主人公・喜久雄には、実在の歌舞伎役者坂東玉三郎さんの影響があるのではないか、と考察する記事やファンの声がありました。

主人公・立花喜久雄のモデルは坂東玉三郎さん?

坂東玉三郎さんは、美しさ・華やかさ・演技力のすべてを兼ね備えた、現代歌舞伎を代表する女形のひとりと言われています。

現代歌舞伎界において、最も美しい女形として知られています。

主人公・立花喜久雄との共通点が多いことから、坂東玉三郎さんがモデルではないかと言われているようです。

また、主人公以外の主要人物(大垣俊介)などにもモデルがいないかも調べてみたところ、やはり正式な実物のモデルの人はいないようです。

実際にはモデルがいるというわけではないことが分かりましたが、なぜモデルがいるのではないかと言われるのでしょうか?

「モデルが存在する?実話?」と思うほど、リアリティがすごい!

実際には「モデルがいるのではないか?」「実話ではないのか?」と推測される理由は、本物だと思わせてくれるほどのリアリティがあるからだと考えられます。

『国宝』の著者・吉田修一さんが、作品を書くために行ったのが、3年間の黒衣生活です。

吉田修一さん自身、もともと歌舞伎に詳しかったわけではなく、四代目・中村鴈治郎さんとの出会いが創作の転機になったそうです。

歌舞伎の世界を知りたいと鴈治郎さんに相談したところ、「黒衣」の衣装を用意してもらうことが出来て、吉田さんは実際に3年間も舞台裏に入り込み、役者たちの表と裏を間近で見ることができたのだとか。

内側から歌舞伎の世界を見せてもらえた作家は、ほとんどいない。だからこそ、物語にリアルさが生まれた

ということになります。

『国宝』は、歌舞伎に人生のすべてをかけた、熱い物語

映画『国宝』は、歌舞伎という日本伝統文化の世界を背景に、ふたりの若者が夢と苦悩に揺れながらも、自らの国宝を目指して生き抜く壮大な物語です。

  • 歌舞伎の世界が初めての人にも見やすい
  • 美しい映像と俳優陣の熱演が魅力
  • 重厚な人間ドラマ

原作小説も、映画とあわせて読んでみることで、より深い感動が味わえます。

ぜひ、劇場でその熱量を体感してみてください!